サラの鍵 【感想・ネタバレあり】

サラの鍵 [DVD]

サラの鍵 [DVD]

【レビュー】★★★☆☆
最近で制作された、パリのヴェルディヴ【冬季競輪場】系
■灰の記憶 【感想・ネタバレあり】■
■黄色い星の子供たち 【感想・ネタバレあり】■
現代との交差するストーリーは面白いです。でも、ヴェルディヴ事件を知りたいなら↑黄色い星の子供たち↑のがわかります。

出演: クリスティン・スコット・トーマス, メリュジーヌ・マヤンス, エイダン・クイン
監督: ジル・パケ=ブレネール
年度: 2010年
製作: フランス
時間: 111分

■あらすじ■
1942年、ナチス占領下のパリ。ユダヤ人一斉検挙によってヴェルディヴに連れてこられた人々の中に、少女サラはいた。それから60年後。パリに暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、アウシュヴィッツに送られた家族を取材するうちに、かつて自分のアパートで起こった悲劇を知ることとなる。

■弟

この映画を見て、一番意外だったのが弟のシーン。(一番盛り上がる場所)
てっきり、リフォームした部屋から白骨が出てくるとか、実は逃げた弟が身内だったとか。
ストーリー的にどんな感じで現代と絡ませてくるのかと思えば、過去で解決してしまった。

解決ってほど解決してないけどね。
サラにとってはトラウマどころではない。自分が殺したと生涯許せなかっただろうな。
あの納戸の前でのサラの叫び声は印象に残るシーンだった。
でも、弟がそこにいるから逃げてきたわけで、もし一緒に連行されてたら助かってなかった。

う〜ん。つらいのは分るけど、だからこそ最後までサラには生きていて欲しかったな。

それにしても普通気付くと思うなぁ・・・遺体・・・小動物の死骸だけじゃ納得できない腐敗臭があったと思うけどな。
まして薄い扉一枚挟んだだけだし。

はぁ、弟の事を思うといたたまれない。
ずっと待ってたはずだし、怖かっただろうし。

サラと弟での話で一本映画作れる気がする。

■「愛してる・・・」

離れ離れになった時、駆け寄り母がサラに伝える言葉。

「愛しているわ、心から愛しているわ・・・神のご加護を」

最後の言葉が「愛している」だなんて一番心に響く、母の愛が大きくて涙が溢れてきました。もう、号泣です。

はじめ見た時はサラに駆け寄って、警官に無理やり引き離されるまで必死で抵抗するのかと思った。
こんなにも理不尽で、こんなにも必死だったんだよってアピールするのかと・・・
それが、我子に伝えられるのが最後だと知って、最後の言葉だと思っての

「愛しているわ・・・」

きっと言いたい事は山ほどあったはず、「愛している」っていい言葉だなぁって実感しました。

ユダヤ人ってどうなの?

映画ではユダヤ人である事への抵抗があるように感じました。サラの息子とかがユダヤ人だという事を直ぐに認める事が出来なかった。など。
でも、実際はどうなんですかね?

日本に住んでいて迫害も知らず、まして平和ボケした無宗教の世界では実際どうなのかがわからない。
とくにユダヤ人って人種じゃないし。
もし私がユダヤ教を信じたらユダヤ人になるわけだし、私の親がユダヤ教徒なら私もユダヤ人だし。

境がよく分からない。うまく想像出来ない。

まぁ、2000年以上前からの迫害の歴史もあるし、一言では表せないんだろうけど。

実際に起きた事で、二度と起こしてはならない事で、刻み付けなきゃいけない事なのに・・・

どこかで他人事のように感じてる。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■